第56回日本ジュニア展入選作品
ケーキを食べたいからケーキ屋さんになりたい。
お花が好きだからお花屋さんになりたい。
お寿司を握ってみたいからお寿司屋さんになりたい。
人は、こんな単純明解な理由で職業選択をするの?
いやいや、いまは面倒くさい理屈は抜き。
この職人さんの笑顔を見てやってください。
カウンターで見上げた職人さんへの憧れが、この笑顔をつくりだしています。
もちろんこれは作者自身。
自分の名前から一字をとった看板をかかげ、本格的な店がまえです。
なんといっても目をひくのは長い白木のカウンター。これがなくてははじまりません。
目の前で握ってもらう誇らしさ。
両親に連れていってもらい、じっくり観察してきた結果が、こまごまと描き込まれています。
自分の店だから、もちろん自分が好きなように店内ををデザインしました。空間デザイナーにもなってみたんですね。
朱色のドアをあけて入れば、ちょっとびっくりするような斬新な店内が。
どうしてドアが描いてあるのに、部屋のなかが見えるの?
そんな面倒くさい理屈は抜きにして・・・ではありません。むしろそこにこそ、気がついてほしいんです。
朱色のドアを描いて、いきなり店内。建物の壁は省略。
店のなかがよくわかるように、天上から覗きこむようにして描いている。もちろん天上はなし。
この描き方は、あれれッ、源氏物語絵巻などの吹抜屋台(ふきぬけやたい)という描写法と同じじゃないですか。
そんな知識などまったくなくても、こんなふうに描いてしまっているところが、なんだかとても愉快。
ユニークなのは、カウンターのこの曲がり具合。へっこんでいるようにも、でっぱっているようにも見えてしまうなんて、源氏絵巻にもありませんよ。
えっ、らっしゃい。
いなせなオニイサンが・・・光源氏には見えませんが、いい笑顔であることだけは確かです。
原題「おすしやさん」(水彩) 7歳
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- 2010/08/21(土) 05:38:19|
- 小学生 1・2年 水彩|
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